2011年2月4日金曜日

再考・ 勘と度胸と経験の経営

深田氏は「勘と度胸と経験の経営」が今、求められているのだと主張します。

この問題点については昨日も検討しましたが、もう少し深掘りしてみたいと思います。



未来を見通すことは困難で、詳細なプラン通りに物事が運ぶはずもありません。

ですが、プランがなければそれは「行き当たりばったり」の経営になるのではないでしょうか。

プランとは何をするかを決めることで、それがなければ毎日の仕事の中で成果をあげることは難しいのではないかと思います。

そこで、ドラッカー的に「考え抜く」という視点でマネジメントを検討してみたいと思います。



視点① 経営環境の変化

先月のブログにも書いたのですが、かつての高度経済成長のころとは経営環境が全く違います。

当時は、中の上を目指していれば普通に黒字経営になりました。しかし、今は黒字企業の比率が2割をちょっと超える程度にまで厳しくなっています。

ここで求められるのは他に例を見ないオンリーワン経営です。

勘と度胸と経験でオンリーワンになることはなかなか難しいことと思います。

ドラッカーは、今できることをすべてやる。創意工夫を凝らし、次々と打ち手を打つ中で、思わぬ出来事や思わぬ成果が上がる。そこに「強み」がある。

強みを見つけたらそれを磨きぬき、卓越性を持つものとする。

これがドラッカーのイノベーションの一側面です。


視点② 時間管理の本質に着目

勘と度胸と経験もよいのですが、一番肝心なことは「何をするか」です。今日これから何をするかを勘で決めるのでしょうか?それは違うと思います。

ドラッカーは最重要経営資源であるヒトは、時間知識に分解できるといっています。

特に最大の制約条件である時間を何に投入するかが大切です。時間管理の本質はアクションプランの明確化ですから、勘と度胸と経験といういい方はここに誤解を生じさせると思います。



最後に、ドラッカーの次の言葉で締めくくりたいと思います。



ナポレオンは「アクションプラン通りに事が運んで勝利したことはない」といった。

しかし、彼は史上例のない緻密さでアクションプランを作っていた。

アクションプランなしではすべては成り行き任せとなる。

                    ‥‥『経営者の条件』より





(浅沼宏和)