ネットでおもしろい記事を見つけました。
犬は独特の仕方でリーダーシップを発揮するというのです。
人類の最良の友、犬が郵便物をよだれまみれにして台なしにしても全然悪びれているように見えないのは、飼い主の人間が怒っているあるいは急いでいる時に事態をこれ以上悪化させない能力が備わっているというのだ。
人間のリーダーの場合、世界各国の首脳が対立をも辞さないあるいは議論をふっかけるような振舞いに及ぶことにより自らの権威を示すのに対して、犬の場合、常に群れの中で最も忍耐強く、最も攻撃的ではない犬がリーダーになるという。
こういう意外と知られていない犬の習性について書かれている『クレバー・ドッグ:人類の最良の友が教えてくれる人生のレッスン』(日本では未翻訳)の著者ライアン・オメーラ氏は語る。
「犬には様々な優れた点がありますが、トラブル回避を期待して飼い主が信じたがっていることを信じこませ、結果的に飼い主をだましてしまう能力があることがわかりました。」
「帰宅してあなたの愛犬が家の中のものを噛んでいるのを見つけたら、すぐしかりますよね。
そうして犬が情けない表情を見せたらあなたは“ああ、反省しているのだな、悪いと思っているのだな”って思いませんか?」
「罪悪感というのはとても複雑な感情です。
私は犬が罪悪感ややましさを覚えるとは思っていませんでした。
ですが、飼い主が自分のことで怒っていることを理解すると、瞬時に従順的な態度に代わるのです。
なぜなら犬はそうすることが効果的だとわかっているからです。
飼い主たちはそんな犬の明確な態度を見て、“ああ、反省しているからもう叱らなくていいのだな”と判断するのです。」
オメーラ氏によると、人間の場合とは違って、群れのトップに立つリーダー犬は忍耐および従順さと似ている行動を示すという。
「群れに君臨するリーダー犬はこういった特質を持っています。
リーダーになる犬は他の犬を従わせるためにかみついたりせず群れの中で常に最も穏やかで、仔犬たちに見られる不愉快な振る舞いをも大目に見て許容するのです。」
「犬の群れのトップの姿勢は人間のとずいぶん違います。
人間のリーダーなら大きな声をあげ、人に対して指をつきつけたりしますよね。なぜなら人間の場合は自分のリーダーとしての正しさを証明しなければならないからです。」
「誰もそばに犬がいる時に口論を始めようとは思いません。でも口論をしないのは犬がすぐそばにいるからだとは普通思わないものです。
犬にはあらゆることをやわらげる力があるのです。犬のコミュニケーション能力は素晴らしいに尽きます。」
これは意表を突かれる話でした。
動物の生態や行動には人間の常識では推し量れないものがあります。
私たちが普段とらわれている先入観や常識を疑う機会となるものですので、こうした話は気になりますね。
(浅沼 宏和)