2012年1月1日日曜日

落合博満 「采配」 ①

落合監督の著書の内容はドラッカーの仕事論にとても近い内容です。

概要をまとめてみました。

ドラッカーの仕事論と極めて似ています。

ポイントは「自力」「努力」「責任」です。




落合博満著 『采配』 ダイヤモンド社、2011年


1. 一人で決めねばならない。孤独に勝てなければ勝負には勝てない。



2. たとえ自分がうまくなっても、ライバルがもっとうまくなったら自分の地位は変わらない。そう実感すれば、今自分がすべきことが見えてくる。


3. 社会、あるいは組織に必要なものは「能力」である。「俺は一生懸命やったのに」と憤慨しても道は開けない。


4. 前向きにもがき苦しむ経験は、すぐに結果に結びつかなくても、必ず自分の生きる力になっていく。


5. 自分自身を適性のある世界に導く才能、セルフプロデュースする能力が必要だ。そのためには普段から目の前の仕事にベストを尽くすことが条件だ。


6. 練習でできないことは試合でもできない。


7. 1年でも長くユニフォームを着ていたいなら、休むということを考えてはいけない。


8. 「不安だから練習する」というのが原則。


9. 心技体ではなく体・技・心の順番である。体とは仕事をしていく体力である。技術を持っている人間は心を病まない。技術を身につけて自信を身につけるしかない。体・技の順序で強くなれば、心もタフになっていく。


10. 予習はいらないが徹底した復習が必要だ。飲み込みの早い人は忘れるのも早いことが多い。自分を不器用だと自覚している人ほどしっかりと復習する。


11. 仕事では自分のスキルを成熟させながら3つの段階の戦いに直面する。それは自分、相手、数字だ。数字と戦えるようになれば本当の一人前、一流のプロフェッショナルということになる。ただし、数字と戦うことは一流のプロでも容易ではない。


12. 3割を超えららない選手は3割を目標にしているケースがほとんど。3割の壁を突破していく選手は一度も3割をマークしていないにもかかわらず、3割3分当りを目ざしている。


13. 大きな成果を得るために何かを犠牲にすることもある。自分の目標を達成したり、充実した生活を送るためには必ず一兎だけを追い続けなければならないタイミングがある。


14. 選手は育てるのではなく、自分で育つものだ。自力があってこそ一流を目ざせる。


15. 一流には自力でなれるが超一流には協力者が必要。


16. 30代で何をしていくのかが極めて重要。20代ではしっかりした土台を築き、充実した30代にしていくべきだ。


17. 勝てない時は負けない努力をする。負けない努力が勝ちにつながる。


18. チームスポーツで「仕事をした」といえるのは、チームが勝ったときだけである。


19. 責任ある立場の人間は、この瞬間に最善と思える決断をするしかない。そこがブレてはいけない。


20. 勝利の方程式ではなく勝負を少しでも優位に戦っていくための原則論が必要。パーフェクトな理想を描き、それに一歩でも近づいていけるように現実的な考え方で戦っていく。

 
 
(浅沼 宏和)