2012年1月7日土曜日

ポーターのダイヤモンド理論で今の日本を考える

現在、マイケル・ポーターの入門書を執筆中のため、ここ半年ほどはポーターの著作の精読に明け暮れています。

ポーターの競争戦略論は、業界への関心に始まって、「業界」⇒「活動」⇒「立地」⇒「社会」へとその重点を移しながら発展してきました。

その立地にかかわるフレームワークがいわゆるダイヤモンド理論です。

ダイヤモンド理論とは簡単に言うと、ある国の競争優位をささえる4つの重要な条件に注目することです。

4つの点を結ぶとダイヤモンドのように見えるのでそのように呼ばれています。

その4条件とは

1、要素条件‥ヒト・モノ・カネや物流・科学技術等のインフラ。質と専門性の高さがポイント
2、需要条件‥国内需要の質と量。特に高レベルの要求をする顧客がポイント
3、関連産業・支援産業‥周辺の産業のレベルの高さがポイント
4、企業戦略・競争‥お国柄に合った経営スタイルがポイント

です。

日本の場合、

1、資源の少なさを克服しようと頑張ってイノベーションを起こした
2、世界一要求水準の高い消費者
3、すそ野の広くレベルも高い下請け企業群の結束
4、「日本式経営」と呼ばれる独自の経営スタイル

がピタリとかみ合った高度経済成長期に一気に先進国に登りつめました。

しかし、現在、これらのすべてが崩れつつあります。

1、ハングリーさを失ないつつある労働者
2、ガラパゴス化しつつあニーズ
3、急速な海外シフトによる下請け企業群の解体
4、時代の変化への経営スタイルは経営環境の不対応

とまとめることができると思います。

こうして論点を具体的にして取り組むのが政治の役割であり、企業が行うべき貢献でしょう。


(浅沼 宏和)